「大歓迎だ」「核兵器廃絶に向けた声明を」。広島市での主要7カ国(G7)外相会合に出席するケリー米国務長官ら核保有国の外相が初めて平和記念公園を訪れて原爆慰霊碑に献花し、原爆資料館を視察する日程が決まった2日、被爆者らは喜ぶとともに会合の成果に期待した。
広島県原爆被害者団体協議会(坪井直理事長)の箕牧智之副理事長(74)は「核兵器がどれだけ怖いか肌で感じ、自分の国で広めてもらいたい」と期待。もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(71)は「威力だけではなく、悲惨さを理解することが核廃絶につながる」と話した。
2人はともに、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に出席するオバマ米大統領の訪問実現も要望。佐久間理事長は「会合のホスト役として、広島宣言の中で核廃絶に向け期限を設けた声明を出してほしい」と日本政府に注文を付けた。
この日、親子で原爆ドームを見ていた北九州市の主婦、天野美香さん(37)は「子供たちに戦争も核兵器もない世界を残したい」と歓迎。広島市の会社員、中村縁さん(47)は「訪れてくれるのはすごいことだが、それで核廃絶へと動くのか。パフォーマンスで終わらせないでほしい」とくぎを刺した。〔共同〕