バチカンで20日、フランシスコ法王と面会する高校生(バチカンのオッセルバトーレ・ロマーノ紙提供)
広島で核廃絶を求め署名活動を続けている盈進(えいしん)高校(広島県)2年重政優さん(17)ら4人の高校生が20日、カトリック教会の総本山のバチカンを訪れ、フランシスコ法王と面会した。法王の来日と被爆地への訪問を求めたのに対し、法王は手を取って「被爆地を忘れてはならない」と話した。
特集:核といのちを考える
法王と面会したのは重政さんのほか、青森県立弘前高校2年の加藤甫さん(17)、六甲学院高校(兵庫県)2年の石井麟太郎さん(16)、田園調布雙葉高校(東京都)3年の戸川馨さん(17)。4人はバチカンと日本の国交樹立75周年を記念した作文コンクールで最優秀賞を受賞して招かれた。
重政さんは作文で、母親がフィリピン人であることでいじめを受け、母親のことを好きになれなかった過去に触れた。「核廃絶を願い世界平和を求めるには、まず身近な家族を愛することから始まると気づいた」と訴えた。
重政さんは、イタリア語に訳した4人の作文を法王に手渡した。面会後、朝日新聞の取材に「法王は核廃絶にストレートに言及している。被爆者が少なくなる中、核のない平和な世界にちょっとでも近づけるようアピールしたかった。会えて夢のようだ」と話した。(バチカン=河原田慎一)