ヘイトスピーチのデモに対する抗議活動中、警備していた警察官に暴行されてけがをしたとして、東京都内に住む女性3人が15日、氏名不詳の警察官3人を傷害容疑で告訴した。警視庁新宿署に告訴状を提出し、受理されたという。
ヘイトスピーチ抗議の市民にケガ、国家公安委員長が謝罪
告訴状などによると3人は3月27日、東京都新宿区の職安通り周辺で、在日コリアンを差別的な言葉で攻撃するデモに反対し、車道上で座り込むなどの抗議行動をしたところ、警察官に排除される際に暴行を受けてけがをした。
このうち30代女性は警察官に首をつかまれガードレールに押しつけられ、首にけがをした。40代女性は足をつかまれて路面を引きずられた後、肩を突かれて転倒して後頭部を打ち、首や頭にけがを負った。別の30代女性は腕などをつかまれて倒され、首にけがをしたうえ、ショックを受けて怒りの感情が収まらないなど急性ストレス障害の症状が出ているという。
女性らが暴行を受けた場面の映像がツイッターなどで広まり、4月5日の参院法務委員会で河野太郎・国家公安委員長が「警備に行きすぎた点があったとしたら誠に申し訳ない。道路上に寝そべったり座り込んだりという違法状態の解消は警察としてもやらざるを得ないので、そうしたときにけがをさせないよう指導したい」と陳謝していた。(編集委員・北野隆一)