京都大iPS細胞研究所の山中伸弥所長が19日、首相官邸で安倍晋三首相と面会し、被災した熊本大で飼育されている実験動物などの保護を訴えた。
山中氏は他のノーベル賞受賞者らと科学技術予算拡充の申し入れで官邸を訪ね、「熊大にしかない世界で非常に貴重な試験用動物の生命が危険な状態にある」と訴えた。山中氏によると、学内で遺伝子改変マウスなどが飼育されており、現在はタンクに残る水でしのいでいるという。首相は「熊大が厳しい状況になっている話も伺ったので、しっかりと直ちに対応していきたい」と応じた。
山中氏は面会後、記者団に「人への支援が最優先だが、科学の面でも取り返しのつかないことが起ころうとしている」と語った。(田嶋慶彦)