外れ馬券を経費と認めずに計約1億9430万円を追徴課税したのは違法だとして、北海道の40代の公務員男性が国の課税処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は21日、課税を全額取り消す判決を言い渡した。菊池洋一裁判長は「男性の馬券購入方法では、外れ馬券も経費と認められる」と判断。男性の請求を棄却した一審・東京地裁判決を取り消した。
「外れ馬券は経費」今度は認めず 東京地裁、請求棄却
外れ馬券が経費として認められるかについて、最高裁は昨年3月、独自の競馬予想ソフトを使って馬券を大量購入した大阪市の男性のケースで「長期間、網羅的な購入で経済活動だ」と認め、経費に当たると判断した。
21日の高裁判決は、公務員の男性が「独自のノウハウに従い長期間、網羅的に購入して、6年間にわたり恒常的に利益をあげていた」と認定。最高裁が経費認定した例と「本質的に変わらない」とし、「一般の愛好家と変わらない」とした一審判決を覆した。
課税した札幌国税局は「主張が認められず残念」、男性の代理人は「最高裁判決の趣旨に合致し、一般国民の感覚にも沿った妥当な判決だ」とそれぞれコメントした。