「パナマ文書」を調べたフレデリク・オーバーマイヤー記者。4月7日撮影=AFP時事
タックスヘイブン(租税回避地)と各国指導者らの関係を暴いた「パナマ文書」を入手・分析した南ドイツ新聞のフレデリク・オーバーマイヤー記者が3日、ベルリンで会見し、各国記者たちと協力して取材を進めた理由について「自分たちや家族の安全を守るためだった」と語った。
特集:「パナマ文書」の衝撃
同紙は、中米パナマの法律事務所から流出した膨大な内部文書を匿名の情報提供者から入手。国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)と情報共有し、各国の記者約400人で分析を進めた。ICIJと提携する朝日新聞も参加している。
オーバーマイヤー氏は、内部文書には武器の密売人や麻薬組織のメンバーなど「記者1人消すくらい何とも思わない連中が含まれていた」と指摘。関与した記者のリストが出回り、他国では実際に脅威にさらされて身を隠したり、会社側から解雇を言い渡されたりする記者もいたという。
一方で「我々ジャーナリストのさがで、大スクープは常に独り占めにしたいものだが、今回は信頼できる仲間たちと素晴らしい体験ができた」とも語った。(ベルリン=玉川透)