前半、J・ロドリゲス(21)のシュートがDFに当たりオウンゴールで先制、喜ぶパナマの選手たち=ロイター
(サッカー・ワールドカップ)
初出場のパナマは1次リーグG組で3戦全敗、勝ち点0でW杯を終えた。サッカーより野球人気が高い国の冒険は、ほろ苦い結果に終わった。
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チュニジアとの最終戦後の記者会見。「大会を最下位で終えた気分はどうか」との質問に、コロンビア出身のゴメス監督は気色ばんで答えた。「その言い方は敬意を欠いている。パナマにいくつサッカーの練習場があるのかを知っているのか」。恵まれているとは言えない環境から、W杯までたどり着いたプライドをにじませた。
代表選手の多くは自国や北中米のクラブでプレー。北中米カリブ海予選でも前評判が高くない中、W杯常連の米国を抑えて悲願を果たした。「学ぶためにロシアへ行く」と指揮官。本大会では、世界最高峰のサッカーを肌で感じることが目標だった。
その意味で強豪のベルギー、イングランドと同じ組になったことは幸運だった。両チームにはいずれも完敗したが、イングランド戦ではバロイが記念すべき初得点を記録。チュニジア戦では接戦を演じ、ひ弱なチームではないことを証明した。
W杯での奮戦で、パナマではサッカー人気が急上昇しているという。ゴメス監督は「高いレベルの試合で、いい経験になった。パナマがW杯に戻ったら、今度は最下位にはならないと思う」と力強く言った。(時事)