2軍で経験を積むロッテの平沢=6日、QVCマリンフィールド
■スコアの余白
スコアの余白
プロ野球界でよく言われるフレーズがある。「入団すれば横一線だ」。主にドラフト会議で下位指名された選手を励ますために使う。が、現実は違う。
上位指名の選手ほどチャンスが与えられ、当面は失敗が許される。典型なのが仙台育英高からロッテにドラフト1位入団した平沢大河だ。今、2軍で徹底した英才教育を受けている。
「甘い球を逃さず打てるようになりました。ショートの守備も前より様になってきていると思います」。6日、久々に話を聞いた。今春の1軍キャンプの時より少し大人びて見えた。
3月に2軍に合流してから、イースタン・リーグのほぼ全試合に出ている。31試合で打率2割9分4厘、4本塁打(8日現在)。打率は同リーグ8位で、「今年の目標は3割」と言う。
最初から打てたわけではない。3月末時点で打率は2割そこそこ。とことん使う球団の方針で磨かれてきた。山下2軍監督は「1軍に近い投手とも勝負できる姿になってきた」と話す。
昨季、打率3割、30本塁打、30盗塁をクリアしたヤクルトの山田も、5年前はドラフト1位の高卒新人だった。同リーグ2位の460打席に立ち、打率2割5分9厘、5本塁打、17盗塁。突出はしていないが、優先して使われたわけだ。
平沢は試合後の個別練習もほぼ毎日こなす。体の強さという絶対条件も満たしており、1軍へのレールに乗ったと言えるだろう。(伊藤雅哉)