島袋里奈さんの遺体が見つかった現場はブルーシートで覆われていた=19日午後9時10分、沖縄県恩納村、日吉健吾撮影
行方が分からなくなって3週間。家族の「どうか無事でいて」との願いは届かなかった。沖縄県警は19日、同県うるま市の会社員、島袋里奈さん(20)の遺体を発見し、元米兵で米軍基地で働く米軍属のシンザト・ケネフ・フランクリン容疑者(32)を死体遺棄容疑で逮捕。事態は最悪の結末を迎えた。
遺棄容疑の元米兵、殺害ほのめかす供述 沖縄の女性不明
「だめか」。19日午後4時過ぎ、「死体遺棄容疑で容疑者逮捕へ」との速報がテレビで流れると、島袋さんのいとこの男性(42)は、目を閉じ天を仰いだ。
この日は午前中から、名護市にある島袋さんの母ひとみさん(51)の実家に親族らが集まっていた。米軍関係者が警察で事情を聴かれているとのニュースに、ひとみさんはやつれた表情で「親思いのおとなしい子。無事に帰ってきて。それだけです」と語った。
島袋さんと最後に顔を合わせたのは今年の1月下旬。成人式を終え、「仕事も楽しく頑張っている」と話していた。その後も時々届くメールはいつも母を気遣う内容で、行方不明になる数日前に届いたものにも「ちゃんと体調管理してね」とあったという。
だが、母の願いは数時間後に暗転した。ひとみさんは同日午後、県警からの連絡を受けて警察署へ。いとこの男性は「悔しい」と絞り出すように言い、家の奥に消えた。