米アップルが今秋に投入するスマートフォン「iPhone」は、例年より多い3モデルになる――。中国を中心にこんな事前情報が飛び交っている。iPhone生産の大部分を請け負う一方、販売でも人気ブランドの浮き沈みを左右するお国柄だけに注目を集めている。
アップルは例年、秋にiPhoneの新製品を発表・発売する。台湾の製造請負大手、鴻海精密工業(ホンハイ)や和碩聯合科技(ペガトロン)は、受注を受けると夏にかけて中国本土にある傘下工場で大量の作業員の募集を始めるのが「年中行事」だ。ただ、今年は河南省鄭州などでの募集の開始が5月中旬と、例年より1~2カ月早まったことが話題になった。
台湾メディアがその理由として指摘するのが、これまでは1~2種類だったiPhone新製品を今年は3種類に増やす可能性だ。有力紙の経済日報は、予想される「iPhone7」「iPhone7プラス」に加え、「さらに上位モデルを加える」とみる。
アップルは今年1~3月期に13年ぶりとなる減収を記録。世界最大のスマホ市場の中国でも地元勢などにシェアを奪われており、モデル数を絞ってきた販売戦略の見直しが焦点となっている。中国版ツイッター「微博」では早くも新モデルとされる写真が出回るなど、関心は過熱している。(北京=斎藤徳彦)