左エンジンから出火した際の大韓航空機=羽田空港、永山生耀さん撮影
27日午後0時40分ごろ、東京・羽田空港のC滑走路で、離陸のため滑走中だったソウル・金浦(キンポ)行き大韓航空2708便(ボーイング777―300型機、乗客乗員計319人)の左エンジンから出火した。同機は非常停止し、乗客らは滑り台(シューター)で緊急脱出した。19人が打撲などのけがをし、12人が救急搬送されたが、重傷者はいなかった。
羽田空港の大韓航空機、エンジン出火 319人脱出
離陸前に急停止、乗務員「ゴーアウト」 大韓航空機出火
国の運輸安全委員会は、深刻な事故につながりかねない重大インシデントに認定し、航空事故調査官4人を現地に派遣した。谷口岳史・統括航空事故調査官によると、左エンジン内が焼け、滑走路にタイヤのブレーキ痕が約700メートル残っていた。左エンジン内の部品が外側のカバーを突き破って滑走路上に散乱し、ブレーキ痕の始まった辺りに多く固まっていた。
国土交通省や大韓航空によると、同機は離陸走行を始めた直後、管制塔から「左エンジンに炎が見える」と連絡が入り離陸をやめた。コックピット内の計器でも異常を確認した。この日午前のソウルからのフライトや、その後の点検で異常はなかった。機体は1999年に導入し、出火したエンジンは1年6カ月前に交換していた。
警察庁によると不審物は見つからず、テロなど事件性を示すものは確認されていない。
羽田空港では、C滑走路が約6時間閉鎖され、ほかの3本の滑走路も2時間ほど運用を見合わせた。日本航空や全日空によると、国内線計406便が欠航し、7万人以上に影響が出た。