少年の写真を掲げて語る深堀好敏さん。中央は西川美代子さん、左端は妹の山口ケイさん=13日午前10時30分、長崎市平野町
長崎原爆の爆心地付近で黒焦げの姿で写真に撮られた少年が、当時長崎市の旧制中学1年の生徒だった可能性があることがわかった。家族が名乗り出て、法医学の専門家の鑑定で判断された。原爆写真の収集・調査を続けている長崎市の被爆者、深堀好敏さん(87)が13日発表した。
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写真は原爆投下翌日の1945年8月10日に、日本軍の報道部員だった山端庸介氏が撮影。長崎原爆資料館で「黒焦げとなった少年」として展示され、原爆の実相を伝える写真として知られてきた。ただ、少年が誰かは特定されていなかった。
深堀さんによると、自身が部会長を務める長崎平和推進協会写真資料調査部会が昨年、長崎市で写真展を開いた際に訪れたという同市の西川美代子さん(78)、山口ケイさん(76)の姉妹が「自分の兄ではないか」と名乗り出た。深堀さんが、法医学の専門家に、生前の家族写真との鑑定を依頼したところ、輪郭が一致しているなど「同一人物の可能性がある」との結果が出たという。