過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討作戦が続くイラク北部モスルで今月中旬、米軍主導の有志連合によるとみられる空爆で市民100人以上が死亡した。イラクメディアが当局者の話として伝えた。AP通信は有志連合が調査を始めたと報じた。
国連はモスル解放作戦が激しくなるにつれて市民が危険にさらされている、と懸念を表明した。イラク当局者によると、17日ごろ、モスル西部にある住宅地が爆撃を受け、25日までに少なくとも132人の遺体を収容し、死者は200人に達する可能性もあるという。米軍主導の空爆をめぐっては今月中旬以降、シリアのアレッポのモスク(イスラム教礼拝所)やラッカにある学校などへの空爆で、少なくとも市民計80人以上が死亡したとされる。
モスルはイラク第2の都市で、2014年6月にISが電撃的に占拠。イラク軍は昨年10月に解放作戦を始め、すでにモスルの8割をISから奪還したとされる。有志連合は空爆でイラク軍を支援している。(カイロ=翁長忠雄)