女子400メートル障害で優勝した久保倉里美=西畑志朗撮影
(26日、陸上・日本選手権)
久保倉がラスト80メートルから吉良と石塚を抜き去り、女子400メートル障害で2年ぶり9度目の頂点に立った。3大会連続の五輪出場を決めたが、狙った55秒台に遠く及ばず、「前半ゆっくり入りすぎました」と反省。30歳だったロンドン五輪以降の4年間で、疲労回復に時間がかかるようになったという。「たくさんの方に助けられて、またオリンピックに出られる。みなさんの夢も乗せて走ります」
特集:リオオリンピック
■大迫のワンマンショーに
男子5000メートルは、昨年、日本記録をマークした大迫のワンマンショーになった。最後の1周を56秒で駆け抜け、2日前の1万メートルに続く2冠を達成。30度近い気温をものともせず「暑くなるリオのいい想定になった」。昨年はゴール手前で村山紘(旭化成)に逆転されて2位だったが、「スピード、スタミナ、精神面すべてで去年より余裕がある」。米国でのトレーニングの成果を実感していた。
■女子5000で尾西4連覇
女子5000メートルは尾西がラスト250メートルからのスパートで、1万メートルとの2冠を狙った鈴木を振り切った。福士加代子に並ぶ、この種目最長タイの4連覇を果たし、「ラスト勝負なら(鈴木)亜由子ちゃんにも負けないと思っていたので、そこまで必死についていきました」。初の五輪に向けて「勝負するのは難しいが、積極的なレースをしたい」と話した。
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男子110メートル障害優勝の矢沢 4年前のロンドン五輪は、日本選手権決勝でフライング失格して代表入りを逃した。「4年分の思いを込めた。自然とガッツポーズが出た」
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男子走り高跳び優勝の衛藤 跳べば五輪出場が決まる自己最高の2メートル29をクリア。「この先何年生きるか分からないけど、自分にとって、三本の指に入る大勝負だった」
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女子800メートル優勝の福田 高校生として17年ぶりに同種目を制した松江北高3年。「予選で自己新が出て、優勝を狙えるかなと思った。2分4秒00の高校記録更新が次の目標です」
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女子100メートル障害で2年ぶり優勝の木村 「後半にうまく加速できた。五輪はまだあきらめない。(7月の)南部記念などで12秒台の最初の扉を開きたい」
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女子200メートル2位の斎藤 高2ながら10年ぶりの高校新。「福島さんは前の前にいましたよ。別のレースをしてるみたい」
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男子三段跳びで初優勝の山本 20歳での頂点も、五輪参加標準記録を33センチ下回る。「1回目の記録から伸ばせなかった。まだまだ力が足りないです」
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藤光謙司(ゼンリン)が負傷 26日の日本選手権男子200メートル決勝で20秒77の6位に終わり、ゴール後に車いすで医務室に直行した。レース中に左足を痛めた模様。3枠の五輪代表選考は、飯塚が優勝で内定し、2位高瀬も確実。残り1人は27日の日本陸連理事会で決まる。藤光はすでに派遣設定記録を突破済みで、3位の原より優先順位は高いが、日本陸連の麻場一徳強化委員長は26日、けがの状況次第で原が選ばれる可能性を否定しなかった。