イラクの首都バグダッドで3日、市民を狙ったとみられる爆破テロが2件あり、AP通信によると、少なくとも計91人が死亡、186人が負傷した。うち1件について過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。バグダッドではISによる大規模爆破テロが5月から相次ぎ、治安悪化に歯止めがかからない。
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AP通信などによると、1件目の爆破テロが起きたのはバグダッド中心部の商業地区カラダの繁華街。自動車爆弾が爆発し、少なくとも子ども15人を含む86人が死亡、170人が負傷した。爆発時、現場周辺は大勢の買い物客でにぎわっていたといい、犠牲者は増えるとみられる。ISは犯行声明で、爆発はシーア派を狙ったもので、「現在続いている防衛作戦の一環」としている。
さらにバグダッド北東部シャアブでも簡易爆弾が爆発し、少なくとも5人が死亡、16人が負傷した。このテロについて犯行声明は出ていない。
イラクでは政府軍が6月下旬、ISが2年半にわたって占拠した中部の要衝ファルージャを奪還。政府軍はイラクにおけるIS最大の拠点である北部モスルの年内奪還を目指している。米軍が主導する有志連合も連日、イラクとシリアでISに対する空爆を続けている。バグダッド中心部のテロは、劣勢に追い込まれたISの報復攻撃だった可能性がある。(イスタンブール=春日芳晃)