仏パリ近郊の空港に並ぶ「イージージェット」の旅客機。2015年4月撮影=ロイター
英国の欧州連合(EU)からの離脱決定に、英国の航空会社が危機感を募らせている。EU域内を「一つの空」とみなす航空自由化の恩恵にあずかれなくなる可能性があるからだ。特に、域内をつなぐ路線を増やして料金を下げてきた格安航空会社(LCC)にとっては死活問題になりかねない。
特集:イギリス、EU離脱へ
■「LCC勝ち組」に打撃の可能性
「英国がEU単一航空市場に残れるようにしてほしい」。英LCC大手イージージェットのキャロリン・マッコール最高責任者は、国民投票の結果が出たその日に、EUの行政機関にあたる欧州委員会と英政府に、そんな書簡を送った。
イージージェットは、この15年間で旅客数を12倍の6860万人に伸ばし、「LCCの勝ち組」といわれる。各国を代表する大手航空会社がしのぎをけずる欧州で、航空シェアの7%を占めて2位につける。
急成長を支えているのがEU単一航空市場だ。
通常、航空会社は自国内の空港…