沖縄県豊見城(とみぐすく)市の小学4年の男児(当時9)が2015年10月に自殺した問題で、市教委が設けた第三者委員会は30日、「日常的に繰り返されたいじめが自死の主たる要因の一つ」とする調査報告書の答申を公表した。学校が対応していれば自殺は防げた可能性があるとも指摘した。
いじめをなくすために 解決へ向けてできることは
特集「小さないのち」
男児は自宅で自殺をはかり、その後死亡した。この直前の9月に学校が行った定期アンケートに「いつもいじわるをされている」と記していた。両親は学校側がいじめを把握していた可能性を指摘し、真相解明を求めていた。
第三者委は、ズボンを下ろされたり、筆箱をパスして回されたりするなど、15年5月から10月にかけて5件のいじめがあったと認定。児童は担任にも相談していたが、学校は具体的な対応を取らなかったと指摘した。遺書などはないものの、全体として、いじめと自殺との因果関係は認められると判断した。
第三者委員会委員長の天方徹弁護士は「学校がきちんとした対応をしていれば、自殺は起きなかった可能性がある」と批判した。
答申を受け取った市教委は30日午後に会見し、今後の対応を説明する予定。(山下龍一)