テキサス州ダラスで8日、追悼集会に参加する人々=AP
米テキサス州ダラスで警察官が12人撃たれ、5人が死亡した連続狙撃事件で、ダラス市警は8日、現場で死亡した容疑者は、黒人のマイカ・ジョンソン容疑者(25)だと発表した。容疑者の自宅でライフル銃や爆発物を製造するための材料が発見されたという。市警は計画的な犯行の可能性が高いとみて捜査している。
ダラス銃撃、高所から警官狙う 銃に習熟・目立つ計画性
7日夜に発生した事件について、ダラスのマイク・ローリングス市長は「単独犯と考えている」と語った。当初、複数の容疑者がいるとみていたが、ジョンソン容疑者が移動をしながら狙撃をしていた可能性が高いという。ジョンソン容疑者の自宅では、こうした狙撃の方法などを記した文書も見つかったという。
市警によると、ジョンソン容疑者は以前に米陸軍に所属し、周囲の人とあまりつきあいがなかった。狙撃の後で立てこもっている間には、黒人男性が警察官に相次いで射殺された事件に怒りを表明し、「白人警察官を殺したい」という趣旨の発言をしたほか、単独犯だと表明したという。容疑者は、警察の爆発物によって死亡した。
一方、テネシー州の警察は8日、同州ブリストルで乱射事件があり、容疑者の黒人の男が、黒人が被害に遭った事件に不満を持って起こし、警察官などを狙ったという趣旨の供述をしていると発表した。この事件は7日早朝に発生し、ラキーム・スコット容疑者(37)がホテルや通行中の車両に向かって発砲したほか、駆けつけた警察官と銃撃を交わした結果、一般市民1人が死亡し、警察官を含む3人がけがをしたという。(ダラス=金成隆一、ニューヨーク=中井大助)