鹿児島知事選で当選を決め万歳する三反園訓氏=10日午後8時27分、鹿児島市、小宮路勝撮影
鹿児島県知事選は10日投開票され、無所属新顔で元テレビ朝日コメンテーターの三反園訓氏(58)が無所属現職の伊藤祐一郎氏(68)を破り、初当選を確実にした。三反園氏は伊藤氏の4選阻止を訴え、民進、社民両党県組織や保守系地方議員の一部の支援を得て草の根の選挙戦を展開した。
選挙事務所の内外に集まった支持者約200人の前に、三反園氏は午後8時24分に姿を見せた。「私は原発のない社会をつくろうと一貫して訴えている。熊本地震を受け、原発をいったん停止して再検査し、活断層の調査をすべきだ」と発言。安全性に問題が見つかった場合の対応を報道陣に尋ねられ、「安全性が確保されない原発は動かすわけにはいかない」と述べた。
鹿児島県で過去に4選した知事はおらず、伊藤氏の4選の是非が焦点の一つとなった。三反園氏は多選を批判するとともに、熊本地震の発生で九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の安全性に不安が広がると、反原発グループとも連携。「川内原発を停止し、点検するよう九電に申し入れる」との公約を掲げ、支持を広げた。一方で、選挙戦では反原発の主張を強調せず、保守層にも気を配った。
伊藤氏は自民、公明両党の支援を得て組織戦を展開したが、及ばなかった。