英ロンドンで13日、退任するキャメロン首相(左)と、下院の席で話す次期首相のメイ内相(中央)=AFP時事/PRU(英議会)
英国で13日、与党・保守党首に選ばれたテリーザ・メイ内相(59)が、第76代首相に就任する。欧州連合(EU)からの離脱を決めた6月の国民投票から約3週間。故サッチャー氏に次ぐ史上2人目の女性首相は、前例のないEUとの離脱交渉と政治経済の安定、世論の融和という困難な舵取りを求められる。
特集:イギリス、EU離脱へ
組閣人事では、離脱の条件や手続きを検討するために新設される「離脱担当省」の位置づけや担当閣僚の人選に注目が集まる。
英独立系シンクタンクによると、省庁の新設には膨大な時間や費用がかかる。ただ内閣には、キャメロン首相の下で、省庁横断型の諮問組織「EUユニット」の設置が決まっている。
メイ氏はこのユニットの長に離脱派の要人を据えて担当大臣とする可能性がある。約40年前、英国がEUの前身であるEEC(欧州経済共同体)に加盟を検討した際にも、似た形式が取られたという。
キャメロン氏は13日正午から下院で最後となる首相質問(党首討論)に臨み、首相官邸前で国民に向けて「6年あまりの間、首相として国に仕えることができて大変光栄だった」と述べた。その後、バッキンガム宮殿のエリザベス女王を訪れ、辞任を伝える。メイ氏も女王に会って新首相の任命を受けた後、首相官邸前で最初の演説を行う。
在位64年余りのエリザベス女…