米ホワイトハウスのスパイサー報道官は9日、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から米国が離脱するかどうかについて、5月下旬にイタリアで開かれるG7サミット後に判断を先送りすると発表した。近くトランプ大統領が方針を決めるとしていたが、政権内の意見調整がうまくいかなかったとみられる。
スパイサー氏は記者会見で「経済だけでなく環境についても(補佐官らと)検討を加え、最も国益になる決定をする」などと述べた。トランプ氏は選挙中、パリ協定からの離脱を公約に掲げてきた。4月末のロイター通信のインタビューで、途上国への支援金が多額すぎて「不公平だ」と指摘、約2週間以内に方針を決めるとしていた。残留する場合も、温室効果ガス削減目標の引き下げや途上国支援の撤回など、オバマ前政権の公約見直しを改めて表明するとみられていた。
米メディアによると、9日に予定していた対応を決める政権幹部の会合が延期に。残留を求めるティラーソン国務長官や長女イバンカ氏(大統領補佐官)と、離脱を主張するバノン首席戦略官やプルイット環境保護局(EPA)長官らの意見が対立しているという。
パリ協定は米国を含む140カ…