大阪府警の元警察官らのグループが、休業状態の歯科医院を通じて診療報酬をだまし取ったとされる事件で、歯科医院の患者約30人分の名義が、グループの1人が経営する整骨院の患者と重複していることが、捜査関係者への取材でわかった。「歯科医院に通ったことがない」という整骨院の患者もおり、府警は保険証の写しが不正に流用された可能性があるとみている。
診療報酬詐取の疑い、元警官や歯科医ら11人を再逮捕
刑事特別捜査隊はこれまでに、元府警巡査部長の今野(こんの)作治(56)=大阪府豊中市=と歯科医の賀川幸一郎(45)=徳島市=の両容疑者ら13人を、賀川容疑者経営の歯科医院(大阪市浪速区)を通じて診療報酬約14万円を詐取した容疑で逮捕。昨年7~9月に同医院から、患者延べ約200人分の診療報酬約600万円が請求されたと確認した。
捜査関係者によると、うち約30人分が、今野容疑者らと共謀した容疑で指名手配中の会社員平井雄大(かつひろ)容疑者(34)=住所不定=が営む整骨院の患者と同一だった。今野容疑者らのグループが平井容疑者から整骨院の患者情報を入手したとみている。
府警は18日、今野、賀川両容疑者ら11人と、新たにヘルパー林泰士(たいし)容疑者(32)=大阪市生野区=を、昨年10月、歯科医院で架空の診療報酬計約57万円を詐取した別の詐欺容疑で逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。