東京都台東区浅草のマンションで、男(21)が元交際女性の母親(55)を人質に立てこもった事件で、男は事件の約1年前、別の女性との交際をめぐって警視庁から指導を受けていた。同庁が明らかにした。
マンション立てこもり、男を確保 元交際相手の母人質
期限の3分前、SITが突入 浅草の立てこもり事件
男は鹿児島県姶良市の職業不詳、堤慎吾容疑者=逮捕監禁致傷容疑で逮捕。
同庁によると、2016年2月、沖縄県に住む女性から「ネットで知り合った男性と交際しているが別れたい」と警視庁に電話で相談があった。この男性が堤容疑者だった。
堤容疑者は当時、都内に住んでおり、堤容疑者の居住地を管轄する葛西署はストーカー行為の前兆がうかがえる事案として堤容疑者と複数回面会して説得。堤容疑者は女性と別れたという。女性からの相談は1回だけで、その後、トラブルなどの相談はなかったため、同庁はストーカー事案などを共有するシステムに堤容疑者を登録しなかった。「電話相談のみで、危険度は低いと判断した」としている。
このため、事件前日の24日に堤容疑者が東京都中野区の元交際女性宅を訪れ、女性が110番通報した際、同庁は堤容疑者の相談履歴を把握していなかったが、危険度が高いと判断してストーカー規制法に基づく警告を出し、女性を実家に避難させた。
事件後、同庁が相談履歴を確認したところ、葛西署で取り扱いがあったことが判明したという。