全国戦没者追悼式に参列する遺族ら=15日午前9時54分、東京都千代田区の日本武道館、角野貴之撮影
戦後71年を迎える終戦の日となった15日、政府主催の全国戦没者追悼式が日本武道館(東京都千代田区)で開かれる。天皇、皇后両陛下や安倍晋三首相、衆参両院議長、全国から集まる遺族ら約5600人が参列する。約310万人に上る戦没者を悼み、改めて平和を誓う。
式典は正午前に始まり、安倍首相が式辞を述べる。第2次安倍政権になった3年前から安倍首相は歴代の首相と一線を画し、アジア諸国への加害責任に触れていない。昨年は「戦争の惨禍を決して繰り返さない」という表現で不戦の決意を強調した。
正午ちょうどに黙禱(もくとう)を捧げた後、天皇陛下が「おことば」を述べる。昨年は「過去を顧み、さきの大戦に対する深い反省」という従来にない表現を使った。
参列する遺族は世代交代が進む。参列を予定している5100人余りの遺族のうち戦没者の妻は7人。20年前は1千人を超えていたが、過去最少を更新して初めて一桁になった。一方、子や孫は3千人を超え、全体の6割を上回る予定。戦後生まれの参列者は全体の2割以上の約1200人となり、最近4年で倍増した。
全国の遺族を代表して、父親の瀬川寿さんがフィリピンで戦死した広島県東広島市の小西照枝さん(74)が追悼の辞を述べる。
また、次世代に継承していく狙いで、今年から18歳未満の青少年遺族14人が献花の補助役を務める。青少年を代表する小学生から高校生の6人による献花も行われる。(久永隆一)