韓国政府は2020年代半ばから、迎撃ミサイル「SM3」搭載が可能なイージス艦を導入する。韓国防衛事業庁が17日、明らかにした。SM3は弾道ミサイル防衛(BMD)の柱の一つ。予算上の問題などは残るが、事実上の日米韓MD体制の構築にさらに一歩、近づくとみられている。
韓国は米ロッキードマーチン社との間で、イージス艦の7~9番艦の3隻に防空システムを備える契約を結んだ。韓国は現在、イージス艦3隻を保有し、4~6番艦の建造も発注済みだが、これら6隻はSM3が搭載できない。7~9番艦にSM3を実際に搭載するかどうかは今後決める。
韓国は金大中(キムデジュン)政権時にイージス艦導入を決めたが、弾道ミサイル迎撃能力については、中国が自国の安全保障への影響に反発することも想定して導入を見送った。最近では北朝鮮の弾道ミサイル発射時、日米韓のイージス艦が連携して対応するが、韓国艦はミサイルの追跡だけに専念していた。
しかし、北朝鮮軍が最近、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を相次いで発射。韓国軍が最短で3年以内に実戦配備されるとみるなど脅威が高まった。北朝鮮本土だけでなく、日本海や東シナ海からの発射にも対応できる兵器として、SM3が必要だという指摘が韓国政府内で出ていた。
SM3は高度300キロほどの…