視覚障害者が駅のホームから転落したり列車と接触したりする事故が、2009年度からの6年間で428件あったことが国土交通省への取材で分かった。東京メトロ銀座線で15日に起きたような死亡事故につながりかねない事態は、各地で起きている。だがホームドア設置などの対策は遅れているのが実情。関係者からは「声かけ」の有効性を指摘する声もある。
視覚障害の男性、白線付近を歩く 盲導犬連れ転落事故
転落・接触事故全体は統計を取り始めた09年度が2635件、14年度が3900件と増加傾向にある。うち視覚障害者の事故は、09年度39件▽10年度60件▽11年度78件▽12年度93件▽13年度76件▽14年度82件で、計428件。死亡事故に至ったケースもある。
東京視覚障害者協会によると、視覚障害者がホームから転落して亡くなった事故は1994年以降、今回の銀座線の事故を含め、全国で24件ある。最近では15年に大阪・阪急宝塚線の服部天神駅で、白杖(はくじょう)を持ってホームにいた男性(当時64)が転落し、列車にはねられ死亡している。
視覚障害者がホームから転落す…