機動隊と向かい合い抗議する市民(C)影山あさ子
沖縄県東(ひがし)村の高江地区周辺での米軍ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設工事をめぐり、反対の住民らを描く記録映画が近く完成する。機動隊が住民らを排除する中で続く工事に、制作者は「多くの人に現場の『いま』を知ってほしい」と急ピッチで撮影を進めた。上映に加え、個人や団体が上映会を開ける「上映権付DVD」も販売する。
特集:沖縄はいま
反対派と警察、やまない攻防 沖縄・高江ヘリパッド移設
映画は、三重県四日市市出身で北海道新得町在住の藤本幸久さん(62)と、札幌市在住の影山あさ子さん(52)の共同監督作品。2人は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画をめぐるドキュメンタリー映画「圧殺の海」などを撮影してきた。今回のタイトルは「高江―森が泣いている」(仮題)。約60分の作品になる予定だ。
沖縄本島北部にある高江地区でのヘリパッド工事は2007年に開始。予定する6カ所のうち14年までに完成した2カ所以外は反対運動で止まっていたが、参院選翌日の7月11日、国が突如、資材搬入を始めた。全国から数百人規模の機動隊を動員し、同月22日には工事の再開を強行。抗議の市民らを排除する中で、けが人も出ている。
影山さんは「国は沖縄で民意にかまわず、力で事を推し進めようとしている。同じことは日本のどこでも起こり得る。多くの人に危機感を共有してほしい」と話す。
映画は10日に完成予定。20…