プロ野球・巨人の元投手らによる野球賭博事件で、指定暴力団山口組系組幹部の三宅雅剛容疑者(42)=賭博開帳図利容疑で逮捕=が、複数の胴元から賭け金や手数料を集めていたことが、捜査関係者への取材でわかった。警視庁は、賭博は組織的に行われ、暴力団の資金源になっていたとみて調べている。
三宅容疑者は、巨人の笠原将生元投手(25)=賭博開帳図利幇助(ほうじょ)罪などで公判中=らに賭けをさせたとして賭博開帳図利罪に問われている飲食店従業員斉藤聡被告(38)ら7人に野球賭博をさせたとして逮捕された。
捜査関係者によると、斉藤被告は元投手ら末端の顧客と直接やりとりする「小胴元」だったという。三宅容疑者は、斉藤被告の他にも複数の小胴元と付き合いがあったといい、携帯電話のショートメール機能を使って賭けに必要な「ハンディ」を提供。小胴元が賭博を主催できるよう手助けしていたという。
それによって小胴元は末端の顧客から賭け金や手数料を集め、その資金を元手に三宅容疑者のような賭博を取りまとめる「中胴元」が開く野球賭博に参加。小胴元の賭け金や手数料が中胴元に流れる仕組みだったという。警視庁は、元投手らが参加していた賭けは、複数の胴元が連携した組織的なもので、暴力団の資金獲得手段の一つとみている。
警視庁は25日、三宅容疑者と、ともに逮捕された元組員の男2人を東京地検に送検した。