カナダ西部のバンクーバーで、日本人の古川夏好(こがわなつみ)さん(30)が行方不明になっていた事件で、バンクーバー市警察は9月30日、同市内の空き住宅で古川さんの遺体が発見された、と発表した。住所不定のウィリアム・シュナイダー容疑者(48)を逮捕し、死体を適切に扱わなかった容疑で訴追した。
行方不明の日本人女性、遺体で発見 男を逮捕 カナダ
英語を勉強するためにカナダに滞在していた古川さんは、9月7日に目撃されたのを最後に行方が分からなくなっていた。8日に、バンクーバー市内を男と一緒に歩く姿が防犯カメラで撮影され、警察は27日に画像を公開した。警察によると、画像の男はシュナイダー容疑者で、他の容疑者はいないという。2人の関係は、捜査中を理由に明らかにしていない。
警察は28日夜に古川さんの遺体を発見し、約300キロ離れたカナダのバーノンでシュナイダー容疑者を逮捕したが、遺族への伝達などのため発表が遅れたという。今後は古川さんの遺体の解剖などを行い、死亡した時期の特定を進める方針。行方不明になってからの足取りも調べる。警察は記者会見で、同容疑者を殺人の疑いで訴追する可能性を聞かれ「捜査は現在も続いている。事実と証拠に依拠しなければならない」と述べた。(ニューヨーク=中井大助)