大阪府警本部から送検される羽田達也容疑者=7日午後0時44分、大阪市中央区、楢崎貴司撮影
整骨院をめぐる療養費の不正受給事件で、詐欺容疑で逮捕された大阪府池田市議の羽田(はだ)達也容疑者(37)=池田市=が運営していた府内六つの整骨院の院長や従業員らが、5年間にわたり互いの整骨院を連日行き来し、施術を受けたとする申請書類が提出されていたことが、捜査関係者への取材で分かった。申請は約30人分で約1千回にのぼるという。府警は、大半が羽田容疑者らの指示による虚偽申請とみて捜査している。
整骨院で70万円詐取容疑、大阪・池田市議を逮捕
捜査関係者によると、羽田容疑者らは運営する整骨院の院長に、「当たり前にやっていることだ」などと言い従業員やその家族の健康保険証を集めるよう指示。これらを6カ所の整骨院長に振り分け、ほぼ毎日施術を受けたように療養費支給申請書に記入させ、全国健康保険協会に提出して療養費を請求させていたとみられるという。申請書は1人につき毎月1回提出することになっている。院長も連日別の整骨院で施術を受けたことになっていた。
2011~15年の5年間で計約30人分の健康保険証が悪用され、計約1千回、虚偽申請された可能性がある。従業員らの証言などから、府警は大半が虚偽の施術による不正請求だったとみている。
府警は7日、自らが施術を受けたように装って療養費約70万円をだまし取った詐欺容疑で羽田容疑者を大阪地検に送検した。