龍馬とおりょう夫妻の完成したブロンズ像と制作した高校生たち=横須賀市
幕末の志士、坂本龍馬の妻おりょう(1841~1906年)が晩年を過ごした横須賀市で、夫妻のブロンズ像が完成し、8日、同市大津町の大津おりょうさん公園前で除幕式が行われた。高校生や住民ら約200人が見守り、「新たな街のシンボルに」と願った。
おりょうの没後110周年を記念し、地元でプロジェクトが浮上。私立湘南学院高校(同市佐原2丁目)の生徒たちが昨年末から制作に取り組んできた。
生徒たちはインターネットを使った「クラウドファンディング」で資金を調達。企画に共感した全国の約250人から当初の目標200万円を大きく上回る340万円が集まった。はかま姿で除幕式に参加した生徒会長の田中翔太さん(17)は「おりょうさんの街であることをPRできればうれしい」。
やさしく抱き合う夫妻のブロンズ像は高さ約50センチ。公園前に立つ郵便ポストの上に設置。「龍馬とおりょうの恋文ポスト」と名付けられた。ポストに設置したのは、薄れつつある手紙文化に関心を持ってもらいたいとの思いから。和装に身を包んだ生徒会の築紫奈奈美さん(17)は「ポストがいつまでもここに残り、手紙を書く文化も盛んになってほしい」と話した。
おりょうが眠る墓は近くの信楽寺にある。この日は同寺で墓前祭が行われ、大勢の人たちが訪れた。(前田基行)