三笠宮崇仁(たかひと)さまの逝去から一夜明けた28日朝、東京・元赤坂の宮邸敷地内で弔問記帳が始まった。ゆかりの人たちが訪れ、哀悼の意を表した。
三笠宮さまが名誉総裁を務めた日本・トルコ協会の遠山敦子副会長は、約20年前に大使としてトルコに赴任する際、トルコとの関係について指導を受けた。三笠宮さまはトルコの人たちから尊敬されていたといい、「大使としても日本人としても、三笠宮さまのお陰で両国の関係を深められた。本当に心から感謝しております」と述べた。
三笠宮さまは昨年、同協会が100歳の誕生日を祝った場に妻・百合子さまと出席。大きなケーキに立てられたろうそくの火を車椅子から身を乗り出すようにして吹き消し、「にこやかでうれしそうで、本当にいいお顔だった」という。
三笠宮さまが名誉総裁を務めていた日蘭協会で事務局長をしていた曽武川栄一さん(83)は「年に一度の総会には百合子さまとご一緒にお越しいただき、仲むつまじい姿を見ていた。お寂しいと思うが、百合子さまにはお元気でいてほしい」と気遣った。
子どものころに三笠宮さまにフォークダンスを習ったことがあるという東京都港区の幼稚園理事長、三井富美子さん(76)は「優しい方だった。とてもお世話になったので、感謝の気持ちで訪れた」と話した。
三笠宮ご一家に約12年仕えた元皇宮警察官の男性(63)は記帳後、深々と一礼して南門を出た。「怖かったけど、気さくでいい人でした。立ち居振る舞いが皇族だった」としのんだ。
一般の弔問記帳は宮邸前仮設テントで午後7時まで受け付けている。(多田晃子、斉藤寛子)