九州場所前に開かれた収穫祭。力士と住民が餅つきを披露した=福岡市早良区、岩波精撮影
人口減少に悩む福岡市南端のまちに、今年もお相撲さんがやってきた――。相撲部屋を誘致し、にぎわいを取り戻そうと取り組んできた早良区脇山地区。念願かなって2年前から高田川部屋が九州場所の宿舎を構え、力士と住民の交流も根付いてきている。
どすこいタイムズ
脊振山の山裾に沿って水田が広がる。福岡市中心部の天神から直線で十数キロ離れた自然豊かな脇山地区は人口減に悩んでいる。脇山小学校の児童数は約100人とピーク時の3分の1に減った。65歳以上の人口の割合を示す高齢化率は35%に達し、市中心部と結ぶバス路線は減る一方だ。
長く自治会長を務めた結城勉さん(81)は現状に危機感を募らせていた。「このままでは、脇山が消えてしまう」。思いついたのが相撲部屋の誘致だった。力士が来れば地域も活気づくはず。九州場所を前に、親方らが市内の自治会の集まりなどにあいさつに来るたびに「ぜひ脇山に宿舎を」とアピールし続けた。
「渡りに船」と誘いに乗ったの…