千代大龍を下し土俵を後にする白鵬=小宮路勝撮影
横綱日馬富士が平幕の貴ノ岩に酒席で暴力を加えたとされる問題で、現場に横綱白鵬が同席していたことが明らかになった。
貴ノ岩、当初は親方に「転んだ」 日馬も師匠に報告せず
どすこいタイムズ
九州場所4日目の15日の打ち出し後、報道陣からの問いかけに、同席していたことを認めた。続けて、「それでは、なおのこと気持ちは穏やかではないですね」と向けられたが、これには生返事をしただけで迎えの車に乗り込んだ。
複数の協会関係者によると、トラブルは10月26日に行われた鳥取巡業の前夜に起きた。鳥取市内のちゃんこ料理店で1次会が行われ、2次会の高級ラウンジへ移動。店を貸し切りにして、外で待機した付け人たちが、来店する一般の客に「今日は貸し切りです」と事情を説明していたという。この宴席で日馬富士は酒に酔い、貴ノ岩の言動に激高。白鵬らの制止を振り切って、ビール瓶や素手で殴り続けたという。
白鵬にとって、40度目の優勝がかかる今場所。目標に掲げてきた節目の賜杯(しはい)をめざす途中で、思わぬ事態に見舞われた。この日、白鵬が所属する宮城野部屋(福岡県篠栗町)には、「見学、取材お断り」の紙が貼られた。普段は稽古を公開し、朝から取材に応じる日も多い横綱にしては異例の対応だった。
ただ、初日から4連勝を決めた取組後の表情は穏やかだった。「まだ始まったばかりだけど、いい滑り出しだね」と笑みも浮かんだ。自身の取組直前に稀勢の里が負ける波乱も起きたが、「結びで締める。それだけです」と語った。