フィデル・カストロ前議長の死去で服喪期間にあるキューバで、「ブエナス・タルデス（よい午後を）」とあいさつすることを禁じられたと国営テレビのアナウンサーが不満を言う様子の動画が流出した。政権が求める「自粛ムード」に、市民からは「あまりに窮屈だ」「フィデル氏なら、こんなことはしなかった」との声が漏れる。

特集：フィデル・カストロ氏死去

動画では、スタジオにいるアナウンサー２人が「あいさつしないなんて不作法だ」と話す様子が映っていた。服喪中は「ブエノス・ディアス（よい日を）」などの普段のあいさつ用語は使わないようにと何らかの規制があったとみられる。「ブエノ」（よい）という単語が、服喪に適さないと判断されたようだ。

国営テレビは１１月２６日から１２月４日までの服喪期間、音楽番組や映画、ドラマ、子ども用の番組も全てキャンセルされている。五つのチャンネル全てで、フィデル氏のドキュメンタリー映画や、フィデル氏の遺骨が埋葬地となる東部サンティアゴデクーバに向けて運ばれる様子を一日中報じている。普段は大音量で音楽をかけながら街を流す乗り合いタクシーも静かだ。店ではビールなど酒類は販売されず、音楽も流れていない。

ハバナ市内の４０代の男性は「…