手袋を着用したり消毒したりと対策をとり、つきたての餅を丸める子どもたち=11日、福岡市早良区、加藤美帆撮影
年末の恒例行事「餅つき大会」の中止が相次いでいる。冬に流行するノロウイルスなどによる集団食中毒を防ぐためだという。一方で、伝統を絶やしたくないと続ける団体は予防対策に工夫を凝らす。
11月下旬、福岡県太宰府市の公民館で、そば打ち大会が開かれた。10年前から地域の子どもやお年寄りらが集まる餅つき大会を開いてきた地元のNPO法人「おさき坊」が、今年はそば打ちに切り替えた。小学校などでのノロウイルス流行を受け、昨年の餅つき大会が急きょ中止となった苦い経験が背景にあった。
保健所からは食べる直前に加熱調理するよう言われ、雑煮や汁粉にすることや機械を使うことも検討した。だが、つきたての餅をこね、その場で食べる楽しみは失われる。思い切って手で打った後、ゆでて食べるそばに替えた。担当したおさき坊の井上早苗さん(45)は「寂しいが、見た目では感染しているかどうか分からない。不特定多数の人が来ればリスク管理が難しい」と話す。
埼玉県川口市の芝富士公民館地…