動脈硬化が進む危険性が、たばこを吸う人は吸わない人と比べて1・8~5・2倍高いことが、約1千人を対象にした滋賀医科大の大規模調査でわかった。論文は米心臓学会誌に掲載された。
動脈が硬くなったり狭くなったりすると脳卒中や心筋梗塞(こうそく)につながる。喫煙と動脈硬化の因果関係は、病気を発症した人の研究はあったが、喫煙者の動脈がどう硬くなっていくかを詳しく調べ、因果関係を明らかにしたのは初めてという。
研究チームは、滋賀県草津市の健康な40~79歳の男性1019人(うち喫煙329人)を対象に心臓や首、足の血管の状態をCTや超音波で測定。飲酒や運動の有無など、たばこ以外の影響を除き、動脈の硬化と喫煙との関係を調べた。
その結果、喫煙者の動脈硬化の進み具合の「危険度」は非喫煙者に比べて、足で5・2倍、大動脈4・3倍、首1・9倍、心臓1・8倍だった。喫煙量が増えるほどリスクは高くなった。