拳銃と実弾を自宅に隠し持っていたとして、銃刀法違反(加重所持)の罪に問われた元三重県紀北町議で採石業の東篤布(ひがしあつのぶ)被告(62)=紀北町相賀=の論告求刑公判が27日、津地裁であり、検察側は懲役5年を求刑した。
東被告は被告人質問で、拳銃は知人の暴力団組員から3、4年前に預かったと説明。「怖い人で押し返すことができなかった」と述べた。ただ、この組員はすでに死亡しており、検察側は「(本当の入手先から)危害を加えられると思い、死人から譲り渡されたと、うそをついているのではないか」と主張した。
検察側は論告で、東被告が自宅などで実弾3発を試射していたことを挙げ、「何らかの形で拳銃を使おうとしていたのは明らか」と指摘。入手先について「信憑性(しんぴょうせい)の乏しい発言を繰り返している」と主張した。弁護側は「拳銃を持っていたのはやむを得ない事情で、本人も処分に困っていた」と、執行猶予付きの判決を求めた。
東被告は、10月1日に自宅寝室にあったクローゼットの隠し引き出しに回転式拳銃2丁と、適合する実弾11発を隠し持っていたとして、起訴された。東被告は逮捕後の10月7日に町議を辞職した。
津地裁は東被告について保釈を認める決定を出し、22日に保釈された。