腕を組んで友好を誇示する当時のフィリピンのデルロサリオ外相(左から3人目)と米国のゴールドバーグ駐比大使(右から3人目)ら両国関係者=2014年5月、マニラ首都圏の国防省、佐々木学撮影
日本やベトナムと組んで、フィリピンを政治・経済的に孤立させる――。米国の前駐比大使がドゥテルテ大統領の失脚を視野に、こんな戦略を書き残していたと27日、現地の英字紙が報じた。米大使館は報道内容を否定しているが、悪化する米比関係の深刻さを示す内容が並んでいる。
マニラ・タイムズが入手したと報じたのは、今秋までの約3年の任期を終えたゴールドバーグ前大使が書いたとされる「戦略リスト」。ドゥテルテ氏について「地元の外に真の友人がいない」「貧困や依存症は米国の責任とみる、古びたナショナリズムで物の見方が形成されている」と書いてあるという。
さらに、米国に反発するドゥテルテ氏の失脚への道筋として、「東南アジア諸国連合(ASEAN)の他国と軍事協力を強化し、フィリピンを孤立させる」「日本、ベトナム、カンボジア、ラオスの首脳と協力し、フィリピンで事業をするリスクを強調する」といった国際的連携を指南。メディアを使い「中国・ロシアとの外交の危険性」を広めることも促したという。
またドゥテルテ氏と方針が違う…