後半、直接FKを左足で決める市船橋・杉山②=長島一浩撮影
(31日、全国高校サッカー選手権1回戦 市船橋1―0京都橘)
夏の全国総体王者・市船橋がレフティーの一発で、粘る京都橘を退けた。
後半26分、ゴール正面やや左、20メートル強のFK。DF杉山(2年)が左足で放ったシュートは、壁に当たってコースが変わり、GKの逆をついて真ん中に決まった。
FKとなった時、杉山には「直感」があった。「決められそうな気がする」。本来なら主将のDF杉岡(3年)が蹴ることもある位置だったが、先輩に「自分に行かせてください」と直訴。その言葉通り、ネットを揺らした。
京都橘は19歳以下(U19)日本代表FW岩崎を擁し、市船橋の朝岡監督が「ギリギリの攻防だった」と振り返った接戦。夏の王者が勝負強さを見せた。
■U19代表岩崎、無得点で敗退
京都橘の19歳以下(U19)日本代表FW岩崎は、満員の1万6千人超の観客をうならせたが、無得点で涙をのんだ。
2回のチャンスもあと一歩で阻まれた。前半26分、枠を捉えた強烈なFKがGKにはじかれる。同35分には「完全に入ったと思った」低いミドルシュートが左ポストに当たった。
主将でありながら10月は約1カ月、U19アジア選手権でチームを離れなければならなかった。その間も携帯電話で仲間からチームの状況を伝えてもらい、支えられながらまとめてきた。
全国選手権は3年連続で出場したが無得点。J2京都に進む。「こういう大舞台で点を取れる選手になりたい。橘に来て、仲間とサッカーをする楽しさを学びました」とすがすがしい顔で語った。