昨年11、12月の保安検査で原子力規制庁が、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)でウラン酸化物など核燃料物質を不適切に保管していた疑いがあると指摘していたことが7日、同庁の面談記録などでわかった。
面談記録などによると、再処理工場のウラン・プルトニウム混合脱硝建屋で、アクティブ試験(試運転)などで発生したウラン酸化物粉末やウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)粉末、劣化ウラン粉末などが、保安規定で定められた保管場所ではなくグローブボックス(放射性物質を扱う密閉容器)などで長期間にわたって保管されていた。量はウラン酸化物粉末が約2トン、劣化ウラン粉末が約500キロなどだった。
同社は不適切な管理の理由として、2008年にアクティブ試験が中断した後、一時置き場に仮置きなどをしていたが、東日本大震災が発生して緊急安全対策や新規制基準対応が始まったため、仮置きの状態が続いていたなどと説明している。
同社は「一時的な取り扱いとしていたものであっても、長期的に継続する場合は必要な措置を講じる必要があったが、その認識が不足していた」とし、今後、適切な保管場所に貯蔵するとしている。
同庁は「大量の核燃料物質を仮置きと称して長期間にわたり許可を受けた貯蔵施設以外の場所に保管しているのは極めて不適切」とし、早急に適切な管理状態にすることを求めた。
同社は、15年11月にウラン濃縮工場(同村)でも放射性廃棄物の不適切保管が見つかり、保安規定違反と判断されている。