文部科学省の官僚トップ、事務次官の辞任にまで発展する見通しとなった「天下り」あっせん問題。通常国会を目前に、批判の拡大を恐れる政権は事態の収拾を急ぐ。新たな疑惑も浮上し始めた事態の背景には、文科省と大学の密接な関係が浮かぶ。
文科省、事務次官ら7人懲戒処分へ 天下りあっせん問題
19日、文科省11階の事務次官室前には、数十人の報道陣がつめかけた。「天下り」あっせん問題が浮上してわずか1日後、前川喜平次官の辞任方針のニュースが駆け巡った。次官は19日朝に登庁した後、夜になっても報道陣の前に姿を見せなかった。
同省が再就職をあっせんした事例が複数あった可能性や、再就職等監視委員会に対し、あっせんの証拠を隠すような行為をしていた疑いも浮上。民進党が問題発覚を受け、19日午後に開いた緊急会議では、説明のため出席した文科省幹部に厳しい声が飛んだ。
「組織的な関与があったとの報道があるが、どうなのか」「違反だと認識しているのか」……。疑惑の実態を問う議員らに、幹部は「調査をしている監視委の報告があった後、その中身を見てから説明したい」などと応じ、具体的な説明を避けた。
官僚トップの突然の辞任方針に、次官ら幹部計7人に予定される懲戒処分。異例の急展開の背景には、政権の思惑がのぞく。
「国民から疑念が生じることが…