引退することが決まった「ゲルマン」と担当の六車崇人さん=24日、大阪市此花区、橋本弦撮影
2013年に全国で初めて警察庁長官賞を受賞した大阪府警の警察犬、ゲルマン(オス、10歳)が、高齢のため3月までに引退する。これまでに現場に出たのは500回以上。足腰が弱って動きが鈍り、10年の活動にピリオドを打つ。
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全長1・5メートル、体重40キロの黒毛のジャーマンシェパード。24日も警察犬訓練センター(大阪市此花区)で、布のにおいをかぎ分ける「臭気選別」の訓練をした。事前にかがされたにおいを頼りに、5枚の布から同じにおいの布をくわえて戻る。正解してなでられると、太いしっぽを振った。
愛称は「ゲンキ」。07年に警察犬になり、行方不明者の捜索や生き埋め事故、水害の現場に駆けつけた。13年、府内で下校途中に女児が行方不明になった事件では、捜索から45分で女児宅近くに放置されていたランドセルと水筒を発見。指紋から連れ去った男が特定され、女児は保護された。この功績で府警鑑識課に警察庁長官賞が贈られた。