フィリピン・マニラで2014~15年、山梨県内に住む男性2人が射殺された事件で、殺人罪などに問われた甲府市の無職久保田正一被告(43)の裁判員裁判が2日、甲府地裁(丸山哲巳裁判長)で結審した。検察側は「巧妙に計画された連続保険金殺人で残虐かつ冷酷。金銭欲のために人間性を捨てた犯行だ」と述べ、無期懲役を求刑した。
一方の弁護側は「反省し、事件の真相解明に協力している」とし、有期の懲役刑が相当だと訴えた。判決は14日に言い渡される。
起訴状によると、久保田被告は死亡保険金を狙って無職岩間俊彦被告(43)=殺人罪などで起訴=らと共謀し、14年10月に同県韮崎市の整骨院経営鳥羽信介さん(当時32)を、また15年8~9月に同県笛吹市の会社役員中村達也さん(当時42)を、それぞれマニラで実行役に銃で殺害させたとされる。
検察側は論告で「岩間被告との主従関係はなく、久保田被告も主犯格の一人だ」と述べた。