火事で焼けた建物
大分県別府市で住宅など5棟が全焼した火災で、別府署は6日、焼け跡から3人の遺体が見つかったと発表した。連絡が取れていない男女とみて調べている。住宅密集地を抱える別府市では過去にも大規模火災が発生。強風も重なり被害が拡大したとみられる。
大分・別府の火災、3人連絡取れず 警察など捜索
署によると、5日夜に発生した火災では、長屋を含む5棟が全焼し、他に4棟の一部が焼けた。焼け方が最も激しい長屋付近から出火した可能性があると署はみている。3遺体は長屋の焼け跡から見つかった。長屋に住む男性2人と女性1人の行方が分かっておらず、署は遺体を解剖して死因や身元を調べる。
現場はJR別府駅から約600メートルの繁華街近く。市消防本部によると、市中心部は戦災を免れて古い街並みが残るうえ、住宅が細い路地を挟んで隣り合う密集地が多い。市内では2010年にも23棟が全焼する火災があった。市は、今回の現場を含む一帯を建物を新築する際などに耐火構造を求める「準防火地域」に指定していた。
市によると、今回の火災では15世帯の23人が被災。市は5日、延焼の恐れがあるなどとして避難所を2カ所開き、一時は最大約30人が身を寄せた。6日には1カ所に集約し、当面は朝食と夕食を用意する。長野恭紘(やすひろ)市長は6日、報道陣に「別府市は住宅密集地が多く、関係機関と話し合いたい」と火災への対策を検討する考えを示した。
また、市消防本部の庁舎では、消火中の5日午後9時10分に最大瞬間風速22・2メートルを観測。大分地方気象台によると、5日は別府市を含む大分県中部の沿岸に強風注意報が出ていた。市消防本部は、強風にあおられて被害が拡大した可能性もあるとみている。
一方、6日午後7時ごろには、長屋の焼け跡から高さ30センチの炎が上がっているのを巡回中の別府署員が発見。署によると、火は住民らがバケツの水で消し止め、その後消防も放水したという。火が再燃したとみて、今後も警戒を続ける。