大分県別府市は22日、温泉客に課している入湯税を引き上げる条例改正案を発表した。標準的な税額は今の150円から250円になる。増額分は急増する海外旅行者の対応など観光振興に充てる方針。3月1日開会の市議会に提案する。
入湯税は地方税法に基づき、標準税額が1人あたり150円と定められ、自治体は条例で金額を変えられる。引き上げは1978年以来。市が条例で独自に引き上げるのは初めてという。
改正案では、1日の宿泊・飲食代が6001円~5万円の施設の税額を250円、5万円を超える宿泊・飲食代の場合は1人500円に。6千円以下は税額を150円以下に据え置く。
2017年1~9月に市内で宿泊した外国人は34万2千人。前年同期比で10万人増えた。一方、市によると、15年度の入湯税収入は約3億3千万円。今回の改正で1億5千万円ほどの増収を見込み、海外旅行者らを想定した無料Wi―Fiの整備などに充てる。
ただ、ホテルや旅館などの経営者の一部から「客が減らないか心配」などの声も出ている。
静岡県熱海市、神奈川県箱根町など主な温泉地の入湯税の標準税額は150円。今のところ値上げの予定はないという。北海道釧路市は2015年に、150円から250円に上げた。(加藤勝利)