弁護団と会見に臨んだ藤井浩人・美濃加茂市長=東京・霞が関の司法記者クラブ
受託収賄罪などに問われ、二審で逆転有罪判決を受けた岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長(32)が7日、上告審を前に東京都内で会見した。1月29日の出直し市長選で再選された藤井市長は「逮捕・起訴の時点から一切事実ではなく、巻き込まれる形で事が進んできた。最高裁では正しい結果を出して頂けると信じている」と話した。
弁護団は、贈賄側の業者の証言の信用性を認めて一審の無罪判決を破棄し、市長を有罪とした二審・名古屋高裁判決を批判。「新たな証拠がないのに、実質的に心証だけで一審判決を覆したのは最高裁判例に違反する」と主張した。
弁護団によると、最高裁は上告趣意書の提出期限を3月16日と設定しているという。だが、郷原信郎弁護士は「これだけの事件なので期限の延長は認められるだろう」と述べ、5月ごろに提出する見通しを示した。任期満了に伴う美濃加茂市長選は5月に予定されており、最高裁の判断は選挙後となる可能性もある。
弁護団には、元東京高裁判事の原田国男弁護士や、陸山会事件などを担当した喜田村洋一弁護士ら3人が新たに加わった。藤井市長は「選挙でも信任を頂いたので市長職に邁進(まいしん)する一方で、心強い弁護団の先生方と誤った控訴審判決を覆せるよう闘っていきたい」と語った。(斉藤佑介)