東京電力が柏崎刈羽原発(新潟県)の重大事故時の対策拠点となる免震重要棟の耐震不足を2014年に把握していたのに、事実と異なる説明をしていたことを受け、同県の米山隆一知事は15日、定例記者会見で「対話をしていくという話が根底から覆る」と、東電に強い不信感を示した。
免震重要棟が、想定される地震の揺れの半分の揺れにも耐えられない可能性があると分かり、「根本的なことなので困る」と懸念を示した。知事は今年、東電の数土文夫会長や広瀬直己社長と会談している点を踏まえ、「今までの話し合いはなんだったのか。何が正しくて、正しくないのか分からなくなる」と批判。今後の再稼働を巡る議論の進め方に大きく影響するとの見方を示した。
東電は耐震不足について「隠したわけではなく、社内の連絡が不足していた」と説明しているが、知事はこの点について、東電に調査を求める意向を示した。
原発のある同県柏崎市の桜井雅浩市長も15日の記者会見で、「選挙公約で条件付き再稼働容認と言ってきたが、条件はいっそう厳しいものにならざるをえない」と強く批判した。(松浦祐子、渥美好司)