カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致について、和歌山市の尾花正啓市長は15日の会見で「実現に向けた取り組みを進める」と述べ、市内への誘致に乗り出すことを表明した。
市は2015年5月、誘致検討に向けた職員のプロジェクトチームを設置。海沿いのリゾート施設「和歌山マリーナシティ」(同市毛見)や企業用地「コスモパーク加太」(同市加太、磯の浦)を候補地に挙げていた。尾花市長は「関西空港に近い利点を生かし、海洋レジャーなど観光資源の多い和歌山型のIRを目指したい」と話した。
一方、1月に実施された市民アンケートでは、治安悪化やギャンブル依存症への懸念から誘致反対が賛成を上回った。多重債務者の救済に取り組む団体から誘致断念の要請書が出されたこともあり、市長は「カジノ施設は日本人の入場を制限し、外国人専用とする」との考えを示した。
和歌山県の仁坂吉伸知事も誘致に前向きな姿勢で、県幹部によると、1月から海外のIR事業者十数社が県を訪問。県や市の担当者と面会しているという。自治体や商工会など経済団体が参加する「県カジノ・エンターテイメント研究会」の会合も同月に開催されており、白浜町など7市町からも参加者があった。