天皇陛下の退位をめぐる意見聴取の後、会見する(左から)自民党の高村正彦副総裁、茂木敏充政調会長=20日午前9時47分、東京・永田町、越田省吾撮影
天皇陛下の退位をめぐる意見聴取の後、会見する(右から)民進党の野田佳彦幹事長、馬淵澄夫選対委員長=20日午前10時33分、東京・永田町、越田省吾撮影
天皇陛下の退位をめぐる意見聴取のため、衆院議長公邸に入る自民党の高村正彦副総裁=20日午前9時17分、東京・永田町、越田省吾撮影
天皇陛下の退位をめぐる意見聴取のため、衆院議長公邸に入る民進党の野田佳彦幹事長=20日午前9時57分、東京・永田町、越田省吾撮影
天皇陛下の退位をめぐり、衆参の正副議長は20日午前、衆院議長公邸で10の政党と会派の代表者から個別に意見聴取を始めた。自民、公明両党はいまの陛下一代限りの退位を可能とする特例法を推す一方、民進、共産両党は恒久制度とする皇室典範改正を訴えた。正副議長は3月中旬をメドに立法府としての考え方を取りまとめたい考えだ。
天皇陛下の退位をめぐる議論
衆院の大島理森議長と川端達夫副議長、参院の伊達忠一議長、郡司彰副議長が出席。各党代表が割当時間にそれぞれ党の考え方を伝える形式で行った。
自民党の高村正彦副総裁は、退位について法整備の必要性に言及した上で、将来のすべての天皇を対象とするには「恣意(しい)的に使われないか懸念が指摘されている。適切な要件の設定は極めて困難」と指摘。「一代限りとする場合、将来の先例になることは否定できないが、その時点の状況を踏まえた慎重な判断と立法手続きで恣意的運用は十分回避可能」として、一代限りで退位を認める特例法を支持する考えを示した。公明党の北側一雄副代表も一代限りの特例法を求めた。
一方、民進党は野田佳彦幹事長らが典範改正による退位の恒久制度化を訴えた。今後の進め方についても個別の聴取だけでなく「全体会議をもっと開いてほしい」と要請。野田氏によると、大島議長は「適切に開催していく」と応じたという。大島議長らは今後、隔たりの大きい自民、民進の幹部らと協議し、妥協点を探りたい考えだ。